Race Report from Circuit

2022/08/26

第4戦 スポーツランド SUGO:耐えてつかんだ!ついにYogibo Racingがシリーズ初優勝 – 2022 GT World Challenge Asia

FUJI SPEEDWAY
August 19 [ FRI] – August 21 [SUN]
Yogibo FERRARI 488 GT3 [GT3 class]
Naoki Yokomizo
Kiyoto Fujinami

Qualify : Race1=2nd Race2=7th
Race : Race1=WIN! Race2=15th

耐えてつかんだ!
ついにYogibo Racingがシリーズ初優勝


Practice & Qualify

フリープラクティス/予選

鈴鹿、富士と続いた連戦から約1ヶ月のインターバルで、ファナテックGTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイ・AWSはシリーズ第4ラウンドを迎えた。舞台は宮城県のスポーツランドSUGO。Yogibo Racingの横溝直輝、藤波清斗のふたりのドライバー、チームにとっても慣れ親しんでいるコースだが、海外チームにとっては初体験も多い。富士でシーズン初表彰台を獲得したYogibo Racingにとっては、さらに上を目指したい一戦だ。特に、シリーズ最終戦に予定されていたマンダリカでのレースがキャンセルされ、残されているチャンスも少なくなっていた。

そんな一戦は8月19日(金)の午前11時10分にスタートした。気温27度という暑さのテストは途中赤旗中断を挟んだが、Yogibo Racingは横溝から走行を開始し、10周を走り一度ピットへ戻ると藤波に交代。アウトラップ3周目に1分22秒983というベストタイムをマークし、5番手で終えた。

続く午後3時30分からのオフィシャルプラクティスは、午前の走行で赤旗があったことから5分間早められ、午後3時25分にスタートした。YogiboRacingは、ここでセッション序盤に大幅なセットアップ変更を敢行した。富士で速さをみせたライバルに対抗するためのものだが、その確認を行うために頻繁にピットアウト〜インを繰り返し、横溝から藤波、さらに終盤には横溝と交代しながら周回。藤波が1分22秒147を記録し、6番手で走行を終えた。

明けた8月20日(土)は午前11時17分からGT3のクオリファイ1がスタートした。曇り空で気温26度というコンディションのもと、横溝は一度赤旗中断があった後再度コースイン。ニュータイヤの良い部分を赤旗で失ってしまったが、それでもアタックを敢行。1分21秒663というタイムをマークしたが、ポールポジションにはわずか0.081秒およばず、富士に次ぐ2番手で予選を終えることになった。

続くクオリファイ2に出走した藤波はプロドライバーがそろうなか、ピットでステイした後、ややタイミングをずらしコースイン。残り5分ほどを使いながら、チェッカーに向けてアタックを展開していった。

しかし、コース長が短いSUGOだけにトラフィックも厳しく、藤波は1分21秒186をマークしたものの、7番手でクオリファイ2を終えることになった。


Race1 Report

決勝レース1

迎えたレース1。決勝までの間に降った雨により、コースはわずかに濡れた状況でスタートが切られたが、ステアリングを握った横溝はグリーンシグナルとともに猛然とダッシュをみせ、トップで1コーナーに飛び込んでいった。一方ポールポジションだった#18ポルシェは集団に巻き込まれ1コーナーでスピン。クラッシュが起き、セーフティカーが導入された。

金曜に施したセットアップ変更が功を奏し、横溝はライバルたちが1分24秒台なのに対し、ひとり1分23秒台と快調なペースでリードを築いていった。後半の藤波に少しでも楽なかたちで繋げたいと、横溝はフェラーリ488 GT3をプッシュ。16周を終えピットインし、藤波にステアリングを託した。

コースに戻った藤波は、4周目に1分21秒263を記録するなどこちらも好ペースで首位に復帰。悲願の優勝に向けひた走ったが、後方から今季2勝を飾っている#777フェラーリが近づいてきた。プラクティスでのセット変更も、彼らに追いつくため。そんな#777フェラーリは、すぐに藤波の背後に接近してきた。まだレースは25分もある。

しかしここから、藤波は持てるテクニックをすべて活かし、トップを譲らぬ走りをみせた。映像越しにもその熱い思いが伝わるような戦いをみせた藤波は、39周を走りきりチェッカー!Yogibo Racingに嬉しい初優勝をもたらした。戻ってきた藤波と、横溝は熱い抱擁をかわし、ここまでシーズンで苦労をともにしてきた横溝、芳賀美里監督と喜び合った。


Race2 Report

決勝レース2

チーム待望の初優勝から一夜明け迎えた8月21日(日)のレース2。爽やかな夏空のもと迎えたスタートでは、ステアリングを握った藤波は7番手から2ポジションアップを果たし、序盤5番手につける。後方からは海外のトップドライバーが駆る2台のメルセデスが続くが、藤波のスピードを前にオーバーテイクのチャンスはなかなか得られず。藤波は5番手を守ったまま、ピットウインドウオープンとともにピットインし、横溝にステアリングを託した。レース1での優勝から15秒のサクセス・ペナルティがあったが、コース上が混雑しているうちにこれを済ませ、ジェントルマンドライバーが多く走る後半スティントでの追い上げを図ろうという作戦だ。

この作戦に応え、横溝は周囲のライバルたちよりも大幅に速いラップタイムで、上位陣との差を急速に詰めはじめていった。

しかし31周目、横溝がラップダウンをパスしようとした際、タイトな最終コーナーのラインが交錯してしまう。左リヤと相手車両の右フロントがヒットし、2台はスピン。フェラーリの左リヤホイールが割れ、緊急ピットインを強いられてしまった。この遅れで結果は15位。そのまま走行を続けていれば、うまくすれば表彰台、さらに優勝も狙えるペースだっただけに、悔しい一戦となってしまった。


Race Comment

レースコメント

芳賀美里 監督
Twitter:@misato_SUPERGT

Yogibo Racingとして今季から挑戦したGTワールドチャレンジ・アジアで、ようやく総合優勝することができました。応援してくださる皆さま、チームスタッフ、そして横溝選手、藤波選手に本当に感謝です。ふたりの頑張りがなければレース1での優勝はありませんでした。レース2では藤波選手が7番手からスタートし、5番手まで順位を上げてくれ、15秒のサクセスペナルティストップを消化した後、横溝選手が5番手まで順位を上げてくれたものの、アクシデントで緊急ピットが必要になってしまいました。ラップタイムと残り時間を計算しても確実に表彰台、優勝も狙える可能性が大いにあっただけにとても悔しいです。ですが、まだチャンピオンの可能性は残っています。今回のレース2で、このシリーズは2連勝ができるレースだということがよく分かりました。岡山では2連勝を目指します。シルバークラスチャンピオンは確実に、そして総合でも逆転チャンピオンを狙いに定め、諦めずに最終戦の岡山に臨みたいと思っています!

横溝直輝 選手
Twitter:@NaokiYokomizo

レース1で、Yogibo Racingとしての初優勝を飾ることができました!今季いろいろな試練がありましたが、それをみんなで乗り越えてきたので、自分としても格別な優勝ですし、嬉しいのもありますが、ホッとしている方が大きいかもしれませんね。初優勝のレースで、そのメンバーであったことを嬉しく思っています。レース2では、序盤藤波選手が頑張ってくれ、15秒のサクセス・ペナルティがありましたが、その後もクルマは本当に決まっていて、まわりよりも2秒以上速いタイムで走れました。4番手に追いついたところで接触してしまいました。とても残念です。ただまだチャンピオンの権利も残りましたので、岡山では2連勝するつもりで臨みます。今日の速さならそれが可能だと思うので、チーム一丸となって頑張ります。

藤波清斗 選手
Twitter:@fujinamikiyoto

この週末に向けて、オフィシャルプラクティスで大きなセットアップ変更をしたのですが、これで一歩ずつ良い方向に進めていくことができました。自分の予選は少し失敗してしまいましたが、横溝選手が1回目で2番手につけてくれたので、それがレース1での初優勝に繋がったと思います。Yogibo Racingとして初優勝を飾ることができて、本当に嬉しかったですし、良かったです。今回勝たなければチャンピオンの可能性も失ってしまいましたからね。レース2については接触でレースを失ってしまい、残念でした。表彰台も見えていたので悔いが残りますが、レースなので仕方ないですね。最終戦の岡山はまずは優勝し、あとは相手次第になる部分もありますが、チームのみんなと一緒に全力で頑張っていきたいと思っています。


Information

ついにウイナーのための栄光あるYogibo Maxをゲット!

2022年のファナテックGTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイ・AWSでは、第2ラウンドからYogiboがシリーズのオフィシャルパートナーに就いた。さまざまなロゴの掲出に加え、ウイナーにはGTワールドチャレンジ・アジアのロゴと『WINNER』の文字が入るオリジナルYogibo Maxが贈呈されるが、今回のSUGOラウンドからは、新たにレッドのYogibo Maxが登場した。そんな新しいYogibo Maxを、レース1の優勝で横溝、藤波のふたりがついに獲得。表彰台では今までの悔しさを晴らすかのようにYogibo Maxに身を投げ出し、喜びを爆発させている様子が印象的だった。


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